日本が高度成長時代に向かう昭和40年代、生活やファッションの洋風化によってさまざまな色彩が街にあふれだした頃から<陶器瓦>は大きく普及していきます。瓦を焼成する際に、無機顔料を含む「釉薬」を施した<陶器瓦>は、じつにさまざまな色彩を瓦にもたらしました。水墨画のような日本的景観を、西洋絵画のような明るい風景へと変えていったのです。
<陶器瓦>そのものの歴史は意外と古く、767年、平安京の東院玉殿に葺かれたという記述が「続日本紀」に残されており、多くの出土品もその事実を裏づけています。現在では、景観や街並みに対する意識の変化が<陶器瓦>の使用減少という傾向を招いていますが、建物意匠に選択肢を与えてきた存在価値は、いまだ失われてはいません。なによりも、色彩という瓦が持つ可能性をあらためて示唆した功績は大きいといえるでしょう。朱華や焔といった彩陶瓦も、こうした<陶器瓦>での経験をもとに、新たな時代の色彩追求を出発点としているからです。
屋根材 | 56判和形/S形/本葺SS工法瓦 |
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所在/大阪府八尾市
設計/竹原義二(無有建築工房)
所在/兵庫県淡路島北淡町
第11回 特別賞 所在/神奈川県横浜市
製作/木村謙一(木村謙一美術工房)
シルバー | 銀黒 | 青緑 | オレンジ | 栗色 |
濃チョコ | 銀黒 | 青緑 | オレンジ | 素焼 |
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