古来より、淡路瓦の代名詞として愛され続けてきたいぶし瓦。ノミズが継承するその独特の光沢は、淡路産の粘土に対する永年の経験から生まれます。厳選された良質粘土を合理的にブレンドして、入念に混練してから寝かし、プレス成形したうえで、職人が一枚一枚、金箆や鏝を使用して丹念に形を整え、表面を磨きこむのです。
人の手の繊細な触感を最優先した伝統技は、いまも健在。住む人と共有した時の記憶を刻み込んでいく、いぶし瓦ならではのエージングの美しさは、こうした手技へのこだわりから誕生します。
淡路島から産出される粘土には、他産地のものに比べて焼結温度が低い(980~1,100℃)という特徴があります。また、化学的分析によれば、瓦表面に炭素膜を析出させるうえで最適とされる温度は1,000℃前後だといわれます。つまり淡路産の粘土は、その焼結温度と、炭素膜の析出温度とが奇跡的なまでの一致をみせているわけです。
淡路産のいぶし瓦が、古来より最上級の艶を持つ逸品として重用されてきた理由は、このように幸福な偶然を生んだ大自然の摂理にあったわけです。
屋根材 | 本葺瓦(8寸・9寸・尺・尺1寸)/本葺SS工法瓦/聖瓦(数寄屋本葺瓦)/56判和形単窯焼成/S形単窯焼成 |
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エクステリア材 | 韻:敷瓦(100角)(150角)(200角)(245角)(300角) 踏歌:ブリック60厚(100×200)(100×100)/ブリック80厚(100×200)(100×100) |
所在/兵庫県淡路島西淡町津井
設計/磯辺静雄(磯辺社寺建築)
所在/広島県福山市
設計/寺本敏則(日建設計)
第10回 金賞
所在/高知市高見町 設計/山本恭弘(聖建築研究所)