古代「須恵器」の伝統を受け継ぐといわれる備前焼。地肌そのものの焼け味、渋い土味という備前焼の魅力は、釉薬を使わずに、土と炎だけで色彩を創造する製法にあります。職人たちは、土の配合や窯の設計、工程、さらには燃料まで、すべてを緻密に計算しますが、最終的な完成は窯内部の“雰囲気”という人為の及ばない神意が決定するのです。茶褐色や黒褐色を基本としつつ、全体を支配する大胆かつ微妙な“色むら”の景色。そこに、雅趣を尊ぶ人々は、備前焼ならではの価値を見いだしてきたのです。
<焔>は、こうした備前焼とおなじ手法によって誕生した窯変瓦です。その実現にあたっては、いぶし瓦の基本的な製法である「強還元」が基盤となりました。<焔>の色彩は、瓦原料に含まれる鉄分が、酸素と化合して酸化鉄になるという化学反応によって生まれます。このとき、窯内部の“雰囲気”と呼ばれる酸素密度のばらつきが、あの独特の色むらを創りだすのです。しかし、たとえ窯変といえども製品として提供される以上は、基本となる色調を調節し、色むらの加減を一定範囲に収束させなくてはなりません。いぶし瓦の歴史によって培われた、窯の雰囲気を意のままに操るノミズの技術があってこそ窯変をコントロールすることができ、<焔>という製品を可能にしたわけです。
屋根材 | S形/56判和形/本葺SS工法瓦 |
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エクステリア材 | 韻:敷瓦(100角)(150角)(200角)(245角)(300角) 踏歌:ブリック60厚(100×200)(100×100)/ブリック80厚(100×200)(100×100) |
所在/兵庫県淡路島北淡町
所在/兵庫県立淡路島公園ハイウエイオアシス内